世界を生き抜く組織と人のキャメル流グローバル化戦略!

勉強会テーマ

第40回 2016年 3月16日(水)

世界を生き抜く組織と人のキャメル流グローバル化戦略!


講師プロフィール

キャメル・ヤマモト

デロイトトーマツコンサルティング ディレクター
ビジネスブレークスルー大学 教授

主な経歴

学芸大学付属高校卒、東京大学法学部卒、青山大学大学院国際政経学科修士、オックスフォード大学セントアントニーレッジ・シニアアソシエイトメンバー。

外交官時代は主に中東政治情勢分析と対中東外交政策立案に従事。

コンサルタントとしては、米国流組織・人材マネジメントの日本企業への導入を皮切りとして、ここ10年は、日本企業のグローバル化(現地化と全球化)や外資系企業の現地化などを中心にして、人材マネジメントや組織変革のプロジェクトを数多く手掛けている。この2年は、日本企業のグローバル化について、組織と人材に照準をあわせたリサーチ(まだら模様のグローバル化)をおこない、日本的経営と外資的経営の最適均衡モデルを追究している。

加えて、2012年より、ビジネスブレークスルー大学で教授としてリーダーシップ論を担当、2015年から東工大の大学院で特任教授としてリーダーシップ論を担当している。

主な著書&執筆等

「グローバルリーダー開発シナリオ」日本経済新聞社(2009年)
「グローバル人材マネジメント論」東洋経済新報社(2006年)
「世界標準の仕事術」日本実業出版社(2011年)
「世界水準の思考法」日本実業出版社(2012年)
「3年後、残る人、あぶれる人」日本実業出版社(2013年)
「龍の人、鷲の人、桜の人」集英社新書(2006年)
「稼ぐ人」、「安い人」、「余る人」幻冬舎(2001年)、等他多数

現在、ダイヤモンド・ハーバードビジネスオンラインで、まだら模様のグローバル化を連載中。


EVENT REPORT

外交官からコンサルタントに転身し、数多くの日本企業の海外展開に携わってきたキャメル・ヤマモトさんのご講演は、まさに「グローバル人事塾」にふさわしい内容でした。グローバルが苦手な日本人が海外でリーダーになるための「専門性」とは一体何なのか、誰もが感じるこのテーマについて、しっかりと学ぶことができました。

「日本の組織は緑、海外の組織は青」

日本は山手線、緑色です。山手線は「輪(わ)」になっていますが、日本人は「和(わ)」を大事にします。ところが、回っているだけで何も決まらない。これが「緑の組織」のイメージです。これに対して、海外の方式は京浜東北線のような青。冷たい風を吹かせて無慈悲に走り去っていきます。海外の運営方式は会社ありきなので、人が変わってもいいわけです。各CEOやCFOなどのCXOのポジションにいる人がそれぞれの分野でビジョンを出して、戦略を立て、それを達成するために求められる仕事のスペックを決め、それをもとに人をアサインします。その人がよければ昇格し、そうでなければ他の組織に移ります。

「グローバルは手段。目標を実現するために必要なのは「設計図」を描く力」

日本企業は海外の組織を買収した後に青にしたがる傾向がありますが、力づくで青に染めるのではなく、ビジネスで勝つための手段としてのグルーバル化として位置付け、" why global? “を明確にすることが重要です。そして、それを実現するには、組織が明確な設計図を描くことが必要です。組織の運営は、ルールや方針などの「設計図」の全体決定に始まり、それを個人が解釈・理解し、実践に移します。

「目標達成のために必要なスキルを磨く」

Why、What、How の考え方は非常に役に立ちます。まず、自分の Capabilityに関連した、将来したいことやなりたい姿を Whyとして書きます。そして、そのために必要な Whatを書いて、構造化します。その中で、今の自分の強みと、将来身に付けたい強みが出てくると思うので、そこを磨いていく必要があります。この強みの中に、専門性とリーダーシップなどが含まれます。

急速なグローバル化により、日本国内にいても英語の重要性が叫ばれています。英語スキルを持っていると、日本においては一流の企業でいいキャリアが描けても、世界で見るとその標準に追いついてません。ちょっと前までは、英語でビジネスができない国は多くありましたが今は日本と数ヶ国程度です。日本だけでビジネスができる状況が更になくなるのであれば、これからは「専門性」があるだけでは不十分で、「英語でコミュニケーションを取ることができ、更に、「結果を出す」人材にならなければなりません。

自分もがんばらなければ!と実感する会となりました。