グローバル時代の成功のカギは『ダイバーシティ』
第5回 2013年 8月28日
グローバル時代の成功のカギは『ダイバーシティ』
~企業競争力に不可欠な多様な人材活用~
講師プロフィール
日本生まれ,韓国籍。米国ペンシルバニア大学経済学部BA(学士)、シカゴ大学MBA(経営学修士)取得。米国系企業に勤務後、2000年に退社し、ワークライフバランス、ダイバーシティ、および在宅勤務を専門とするコンサルタントとして独立。企業での意識、行動、働き方改革に携わる。近年は特に米国とアジアに精通したグローバルな経験を活かし、急激に進むグローバル化と複雑化する多様性に適切に対応すべく人材育成と環境整備に向け、ダイバーシティ(多様な人材活用)の推進に力を注ぎ、執筆や啓蒙活動にも取り組む。
http://www.worklifebalance.co.jp
EVENT REPORT
8月28日(水)に開催されました第5回グローバル人事塾のご報告です。講師はアパショナータ Inc.代表 ダイバーシティ&ワークライフ・コンサルタントとしてご活躍のパク・スックチャ様。
なんとなく分かるような、でもきちんと自分の言葉で語れと言われると自信がもてない「ダイバーシティ」という概念。ダイバーシティとは何で、何のために必要なのか。ダイバーシティを尊重すると、個人に、組織に、そして社会にとってどんないいことがあるのだろうか。多くの人が漠然と抱いているであろう、そんな“モヤモヤ”がすっきり解消される、体系的で充実した内容の講義でした!
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★ダイバーシティとは?
★グローバル人材に不可欠な5つの要素
★ダイバーシティ・マネジメントが重要な理由
★明日から実践する、ダイバーシティを尊重するための行動
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『ダイバーシティ=「女性活用」や「外国人」ではありません。人が二人以上いれば既にダイバーシティですし、マジョリティと思っているかもしれない男性自身もダイバーシティの一部でしかありません。でも世間では女性活躍=ダイバーシティという短絡的なイメージで、女性の管理職を増やさねば、なんて言ってますね。私は本来のダイバーシティを推進していきたいと思います。』というパク講師。
まず、ダイバーシティの基本概念や背景について、具体的なデータを駆使したわかりやすい解説。続いて、それがグローバル化の文脈において、また組織にとって、なぜ重要であるか腑に落ちる納得の説明。最後に、参加者全員で「明日からできるダイバーシティ尊重に向けての行動」について考えるワークを行いました。
「目的・やりがいなど、モチベーションの異なる人たちをまとめて成果をだすのは難しいですね。会社の目的をぶれない軸としつつ、相手へのリスペクトとともに意見を聞き、お互いに譲り合い、【私もあなたも望むこと】を達成しながら会社の目標にたどり着くためには、ダイバーシティ・マネジメント。上手にできれば、組織だけでなく個人の人間関係もよくなり、一人一人が気持ちよく働ける。更には気持ちよく生きられ、そういう人々が増えれば、ひいては社会全体がよくなる。それがダイバーシティの効能なんです」というパク講師の締めくくりには、ダイバーシティのもつ可能性に鳥肌物の感動すら覚えました。
パク様、密度の濃いご講演、本当にありがとうございました!!
★参加者の声★
● 自分軸がないと、例えば「英語を学ぶのは就職に有利だから」としか考えられず、それが自分の夢とはつながっていかない。異なるものとのコミュ二ケーションを通して、自分のことがわかるようになると、自分軸もできてくるのでは。
● きちんとマネジメントすることが、ダイバーシティにおいて必要である。スポーツにおけるダイバーシティ・マネジメントも、非常に多国籍で多才能な人間をひとつのチームでひとつの目的に向け結果を出していく監督がいるので、企業のマネジメントに参考になるだろう。
● 組織やチームレベルでも、そのチームのダイバーシティを構成している本人たちが話し合ってルールを決めるような、柔軟性のあるチームマネジメントを取り入れたほうがいいだろう。企業の従業員など構成員の意識を変えるには、自分の意見を主張するだけでなく、コーチングなどを行う。あつれきが生まれるより、お互いを聞き合うコミュ二ケーションをおこない、受け入れ合う風土づくりが必要なのでは。